星の終焉 その2 ~超新星爆発と中性子星~
前回の記事の続きとなります
太陽(0.8倍~8倍の質量)の最後は
惑星状星雲を纏い、白色矮星になるというものでした
いずれは惑星状星雲もなくなり
ただひとり、寂しく宇宙を漂う存在となるのです
では太陽の8倍以上の質量をもつ星は
どうなるのでしょうか
超新星爆発
止まらない核融合
太陽は「ヘリウム(He)→炭素(C)・酸素(O)」という
核融合反応で止まりましたが
太陽の8倍以上の質量をもつ星は
炭素(C)→ネオン(Ne)
ネオン(Ne)→酸素(O)
酸素(O)→シリコン(Si)
と核融合反応により
次々に重い元素を作っていきます
そして
最終的に「鉄(Fe)」が作られますが
鉄は安定した元素であるため
核融合反応をしません
恒星は基本的に
重力による収縮する力と核融合反応による膨張する力
でつり合いを取り形を保っています
しかし
鉄は核融合反応をしないため
膨張する力を失い
収縮をしていくのです
収縮するとどうなるのでしょうか
重力崩壊
鉄で作られる星の中心核は
収縮をするにつれて高温となります
すると
鉄原子核内部で
「+の陽子」が「-の電子」を取り込み
中性子に変わります(電子捕獲)
その際、ヘリウムも作られます
しかし
ヘリウムも中性子と陽子に変化をします
つまりは
鉄→ヘリウム・中性子
ヘリウム→中性子・陽子
というように逆核融合反応というべきことが
起こるのです
こうなると
鉄の層は内部に向かって急速に落下をする
重力崩壊を起こすのです
なんとその速度は光の二割にも
達するそうです
衝撃波の発生
鉄の層の崩壊により
中心核にはより重い中性子が集まります
しかし
鉄の層では重力崩壊が止まらないため
中性子の芯に向かって落下をすることになります
すると
中性子の芯に鉄がぶつかり跳ね返るのですが
この影響で衝撃波が発生するのです
衝撃波は外層に向かって進みますが
鉄の層を抜けるとき
鉄の原子核にぶつかり激しく振動します
その影響で
鉄→ヘリウム・中性子
ヘリウム→中性子・陽子
と変化をするのです
衝撃波はこの影響で弱まりますが
ニュートリノを取り込み
再び、力を強めていきます
衝撃波はそのまま外層へ向かって進み
外層に達した時
宇宙空間を鮮やかに照らす
超新星爆発を起こすのです
中性子星
超新星爆発で外層が吹き飛ばされたあと
半径20km程の中性子の核だけが後に残ります
この核のことを中性子星と呼んでいるのです
この星は角砂糖ひとつ分の質量が
なんと1億トン~10億トンであるという
とても密度が高い星なのです
密度が高くても重力崩壊せずに形を保てるのは
「核力」の反発力によるものです
※
核力とは中性子同士が近づくと発生する力です
※
自転軸と電磁波軸がずれている場合
電磁波の放射の方向がずれるためパルスとして
観測される
※
中性子星は強い磁場を持っているが
それ以上に恐ろしく強い磁場を持つ中性子星のことを
マグネターと呼ぶ
こうして
太陽の8倍~25倍の質量をもつ恒星は
中性子星となり、生涯を終えるのです
超新星爆発時に吹き飛ばされた元素は
新たな星を作る材料となります
仏教にある輪廻転生ではありませんが
星の死が新たな星が誕生する材料となり
命を繋いでいます
我らが太陽系も一つの星の死から
生まれました
「あらゆるものが繋がっている」
と思うと感慨深いものがありますよね